キイロスズメバチの生態
キイロスズメバチとは
体長は女王蜂が25~28mm前後で働き蜂が17~24mm前後とされオス蜂も28mm前後になる小型種です。国内では北海道から九州まで広く見られ平地から低山地まで生活圏が重なりやすい種類です。北海道産は別亜種として扱われることがありケブカスズメバチと呼ばれる例もあります。近年は自然の多い場所だけでなく都市部や市街地でも見られる機会が増え建物まわりでの営巣が問題になりやすい蜂として知られています。
営巣場所は軒下や木の枝のような開けた場所だけでなく天井裏や床下や樹洞や壁のすき間のような閉鎖的な空間にも及びます。巣は大きくなると直径50cmを超えることがあり巣盤は5~10層ほどに増え育房数も5000~10000房ほどに達する場合があります。活動期間は5月上旬頃から始まり11月中旬頃まで続きます。働き蜂は6月頃から増え始め最盛期には1000匹を超える規模になることもあります。オス蜂や新女王蜂は9月~11月頃に羽化し新女王蜂の数は営巣規模によって200~800匹程度まで差が出ます。
本種は働き蜂が増えて営巣空間が手狭になるとより広い場所を求めて引っ越しする習性があります。時期は7月~8月にかけて見られ建物内へ働き蜂が入り込んだり新しい営巣候補地に集団で集まったりすることがあります。旧巣と新巣の間を行き来しながら幼虫の世話を続けるため一時的に複数の場所で蜂の出入りが見られることもあります。餌はハエやアブや他の昆虫やクモなどで幼虫の成長に使われます。攻撃性と威嚇性が強く巣に近づいただけでも警戒行動に入ることがあるため物音や振動を与えないことが重要です。
キイロスズメバチの習性
女王蜂を中心に集団で暮らし働き蜂が分担して巣を維持する社会性の強い種類です。山林や森林や公園で見かけることが多い一方で人の生活圏にも適応し屋根裏や物置や換気口付近などにも営巣します。昼間に活動し餌となる昆虫を捕らえて巣へ運ぶため同じ方向へ繰り返し飛ぶ姿が見られる時は周囲に巣がある可能性があります。春から秋にかけて活動し寒くなると巣そのものは使われなくなりますが活動期の巣は規模が大きくなりやすく人の出入りがある場所では特に危険が高まります。洗濯物を干す場所や通路やベランダで蜂の往復が続く時は巣を探そうとして近づかず距離を取って確認することが初期対応になります。
巣の見分け方
キイロスズメバチの巣は地面近くの木の幹まわりや土のうの中や樹上などに作られることがありますが建物では軒下や天井裏や壁内などにも広がります。外から見える巣は大きな球形やふくらんだだ円形になることが多く表面には黄色系や褐色系のまだら模様が見られます。初期は小さくても成長が早いため見つけた時の大きさだけで安全とは判断できません。巣の周辺で幅広く蜂が飛び交い一方向へ出入りを繰り返している時は近くに巣がある目安になります。巣の位置を確かめようとして真下に入ったり懐中電灯でのぞき込んだりすると刺激になるため避けた方が安全です。人の目線より低い場所にできることもあるため植木の内側や室外機の周辺や戸袋の入口なども見落としやすい点に注意が必要です。
キイロスズメバチの毒性と攻撃範囲について
刺傷事故が起きやすい種類として知られており毒性と集団での防衛行動の両面に注意が必要です。巣の近くで作業する人や住民にとっては蜂そのものの大きさより警戒範囲の広さと反応の速さが危険につながります。早い段階で異変に気付いて近づかないことが被害を抑える基本になります。
・毒性
キイロスズメバチの毒は一般的な蜂刺されより強い痛みや腫れを引き起こすことがあります。刺された直後は焼けるような痛みが出やすく時間がたつと赤みや熱感や腫れが広がることがあります。体質によってはじんましんや息苦しさやめまいなどの重い反応が出ることもあり以前に蜂に刺された経験がある人は特に注意が必要です。屋外作業中に刺された場合はその場で様子を見続けず安全な場所へ移動し体調の変化を確認することが重要です。
・攻撃範囲
キイロスズメバチは巣を守るために高い警戒心を示し巣やその周辺に近づくものへ向かって飛び出すことがあります。攻撃範囲は数メートルから数十メートルほどと考えられ作業音や振動や人の動きがきっかけになることもあります。巣が見えなくても同じ場所を旋回する蜂がいる時や顔の周囲をまとわりつくように飛ぶ時は警告の段階である場合があります。その時に手で払ったり走って巣の方向へ逃げたりすると危険が高まります。
・防御行動
巣の防衛時には複数の個体が連動して反応することがあります。威嚇中は周囲を素早く飛び回り相手の動きを追うような行動が見られます。巣に近い場所で作業していて蜂が増えてきた時や低い羽音が続く時はすでに警戒されている可能性があります。こうした場面では身をかがめて静かに離れ黒い物を振り回さず香りの強い整髪料や飲食物を近くに置かないことが大切です。自分で駆除を始めるより人の出入りを止めて相談準備を進める方が安全です。
●注意点
・キイロスズメバチの巣や巣の周辺には近づかないようにします。巣の大きさが小さく見えても内部で働き蜂が増えていることがあり刺激によって一気に防衛行動へ移ることがあります。洗濯物の取り込みや草刈りや脚立作業は中止して家族や近隣にも近寄らないよう伝えることが重要です。
・刺された場合は安全な場所へ移動し刺された箇所を冷やすなどの応急処置を行います。複数回刺された時や息苦しさや吐き気や全身の発疹が出た時は急いで医療機関へつなぐ判断が必要です。巣の近くで刺された時は応急処置より先に追撃を受けない位置まで離れることを優先します。
・重い症状や体調変化が現れた場合は速やかに医療機関を受診します。巣が家の出入口や通路やベランダや天井裏にある時や蜂が複数出入りしている時や種類の判別が難しい時は害虫駆除業者へ相談する目安になります。高所や閉鎖空間や壁内の巣は自力での対処が難しく戻り蜂への対応も必要になるため早めの相談が安全につながります。
キイロスズメバチは攻撃性が強く巣の撤去や対処には害虫駆除業者の支援が欠かせません。無理に巣を確認したり薬剤を近距離から使ったりすると総攻撃を受ける危険があります。巣らしいものを見つけた時や同じ場所への出入りが続く時は自分で判断を急がず距離を取って周囲の安全を確保し相談へつなげることが大切です。