オオスズメバチの生態
オオスズメバチとは
体長は女王バチ40~45mm。働きバチ27~40mm。オスバチ35~40mmほどで知られており日本で見られるスズメバチ類の中でも特に大きな部類に入ります。腹部は黄色と黒の縞模様をしているため目につきやすく飛来した時の羽音も重く感じやすい種類です。一見するとコガタスズメバチと似て見えることがありますが体格の大きさや頭部の印象に違いがあり近くで見分けようとして接近するのは危険です。北海道。本州。四国。九州の平地から低山地にかけて生息し山林周辺だけでなく人の生活圏に近い場所へ現れることもあります。営巣場所は地中や樹洞などの閉鎖的な場所が多く外皮が薄く底が抜けた形になりやすい特徴があります。巣盤数は4~10層。育房数は3000~6000房ほどで構成され巣の規模が大きくなると出入りする蜂の数も増えます。越冬した女王蜂は5月頃から営巣を始め働きバチは7月頃から羽化して9月~10月に最大数となり100~500匹程度になることがあります。オスバチは9月~11月頃に見られ新女王も10月~11月頃に羽化します。幼虫の餌にはコガネムシやカミキリムシなどが使われ秋口には集団で他のスズメバチやミツバチの巣を襲って幼虫や蛹を持ち去ることもあります。本種では先に羽化したオスバチが巣の入口付近で待機し巣から出てくる新女王と交尾する習性があるため羽化時期の午前中に巣の近くを何十頭ものオスバチが飛び回ることがあります。攻撃性と威嚇性が強く地中や樹洞に営巣した場合は近くを通るだけでも足音や草刈機の振動が巣へ伝わって興奮した蜂が飛び出すことがあります。樹液にもよく集まり縄張り意識が強いため餌場でも威嚇や攻撃が起こりやすく見かけても追い払おうとせず距離を取ることが大切です。庭木の根元。竹やぶの縁。石垣のすき間。切り株の近くなどは見落としやすく巣が見えなくても同じ場所へ何匹も出入りしている時は近くに営巣しているおそれがあります。
兵庫県でオオスズメバチが多く目撃されている
兵庫県ではオオスズメバチの生息が確認されており多くの目撃情報が報告されています。北部の山地だけでなく南部でも自然が残る場所や公園周辺や畑地の近くで見かけることがあり山間部に限らず市街地周辺でも注意が必要です。特に夏から秋にかけては働きバチの数が増えるため樹液の出る木の近くや地面に小さな穴がある場所や古い切り株の周辺で活動が目立つことがあります。人口密集地でも庭の手入れや空き地の除草や建物の外回り点検の時に巣の近くへ入ってしまう例があり知らないうちに刺激を与えてしまうことがあります。自治体によっては被害防止のため発生状況の把握や注意喚起が行われることもありますが巣の位置や蜂の動きは日ごとに変わるため現場では自分の目で危険の兆候を見分けることが重要です。同じ場所を低く飛ぶ蜂が続く。草むらの中から急に大きな羽音がする。午前中に巣の周辺を多数の蜂が旋回する。こうした様子がある時は確認のために近づかず作業を止めて経路を変える判断が安全につながります。刺傷事故は巣を直接見つけた時だけでなく巣の存在に気付かず近くを通った時にも起こるため蜂の姿が見えた段階で慎重に行動することが大切です。
対処法
オオスズメバチが多く目撃される地域では人が不用意に近づかない工夫と巣を刺激しない行動が重要になります。見分け方だけで終わらせず出会った時の初期対応と相談の目安を知っておくと被害を減らしやすくなります。近くでしつこく旋回する。顔の高さで止まる。乾いた音を立てる。こうした警戒行動が見られた時は手で払わず静かに後退します。巣の場所が地中や樹洞で分かりにくい場合は目視確認を続けるほど危険が増すためその場から離れることを優先します。
●注意喚起の看板を設置する
公共の場所や公園などでオオスズメバチの生息に注意を促すことで利用者が近づきすぎるのを防ぎやすくなります。人通りのある散策路や草木が繁った場所では巣が見えないまま接近してしまうことがあるため蜂の目撃情報がある時は早めの周知が役立ちます。
●巣の除去
オオスズメバチが巣を作っている場合は除去が必要になることがあります。しかし地中や樹洞の巣は位置が分かりにくく一度刺激すると多数が飛び出しやすいため自分で処理しようとするのは危険です。高所。地中。建物のすき間。通路近く。こうした場所の巣は害虫駆除業者へ相談する目安になります。
●防虫ネットの設置
建物や住宅の窓に防虫ネットを設置しておくと室内への侵入を防ぎやすくなります。特に樹液の出る木やごみ置き場が近い場所では飛来の機会が増えることがあるため開口部の管理が有効です。網戸の破れやすき間も点検しておくと安心です。
●ゴミの適切な処理
オオスズメバチは餌を探してごみ箱へ近づくことがあります。生ごみや飲み残しを屋外に長く置くと誘引につながるためふたを閉めて早めに処理することが大切です。果実の落下物や肉類のにおいにも寄ることがあるため庭先や作業場の片付けも被害防止に役立ちます。
●長袖・長ズボンの着用
オオスズメバチに刺される危険を減らすため草刈りや山際での作業では肌の露出を少なくします。ただし服装だけで安全になるわけではなく蜂が警戒行動を示した時はその場での作業継続をやめて離れることが大切です。黒っぽい服や強い香りが刺激になることもあるため身だしなみにも気を配るとよいでしょう。
●防虫スプレーの使用
出没する地域へ行く際に防虫スプレーを使う考え方はありますが巣の除去や攻撃を受けた場面の対処を代わりにできるものではありません。巣へ向けて試しに噴射すると興奮を招くことがあるため駆除目的で安易に使わないほうが安全です。刺された時に息苦しさや全身のじんましんやめまいが出た場合は早急に医療機関へ相談し巣の存在が疑われる時は害虫駆除業者へ状況を伝える流れが現場では役立ちます。