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肺吸虫症
肺吸虫症(Paragonimiasis)は、肺吸虫(Paragonimus属)と呼ばれる寄生虫によって引き起こされる寄生虫感染症の一種です。この寄生虫は、軟体動物(特に淡水性カニ)を中間宿主とし、人間や動物を終宿主として感染が広がります。以下に、肺吸虫症について説明します。

1.原因と生態学
肺吸虫の種類: 肺吸虫には複数の種が存在しますが、特に肺吸虫症を引き起こすのは主に Paragonimus westermani および Paragonimus skrjabini の2種類が知られています。
生態学: 肺吸虫は生活環の一環として淡水性のカニやエビなどの甲殻類を中間宿主とします。感染した中間宿主を摂取することにより、終宿主である人間や動物に感染が広がります。

2.感染経路
摂食感染: 感染の主な経路は、生の淡水産のカニやエビを摂取することです。これらの中間宿主に肺吸虫の幼虫(メタセルカリア)が存在し、これを摂取することで感染が広がります。
生の魚介類: 特にアジア地域では、生の魚介類(カニやエビ)が料理として摂取され、これが感染の主な要因となっています。

3.感染の症状
初期症状: 感染初期には発熱、咳、胸痛、喀痰(痰)が見られることがあります。これらの症状は肺での虫の移動によるものです。
慢性感染: 慢性的な感染では、咳、喀痰、血痰、胸痛、呼吸困難などが続くことがあります。肺胞に寄生するため、肺組織に損傷を与え、炎症を引き起こします。
中枢神経系症状: 一部の症例では、中枢神経系にも感染が広がり、頭痛、めまい、けいれんなどが発生することがあります。

4.診断と検査
臨床検査: 症状や臨床所見からの診断が行われます。咳や喀痰の検体を調査することが一般的です。
画像診断: 胸部X線やCTスキャンなどの画像診断が行われ、虫の存在や肺組織の異常を確認します。
血液検査: 血液検査により、特異的な抗体や抗原を検出することがあります。

5.治療と管理
抗寄生虫薬: 治療には抗寄生虫薬が使用されます。代表的な薬物にはプラジカンテルやトリクアンテルが含まれます。
対症療法: 炎症や症状の緩和のために対症療法が行われることがあります。

6.予防策
生の食材の加熱: 食事の際には特に淡水産のカニやエビをよく加熱調理することが重要です。
衛生対策: 手の衛生や、感染リスクのある水域での行動に注意することが予防につながります。

7.地域と流行
アジア地域: 特にアジア地域での発生が多く報告されていますが、感染のリスクがある地域は他にも広がっています。
8.未治療時の合併症
肺膿瘍: 未治療で進行すると、肺膿瘍や肺膿胸などの合併症が生じる可能性があります。

肺吸虫症は、生の食材からの感染が主要な原因であるため、特にアジア地域での注意が必要です。早期の診断と治療が重要であり、予防策を遵守することが感染の防止につながります。



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