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盲蛇
地中や落ち葉の下など暗い場所で暮らすことに適応した小型のヘビの総称であり目が非常に小さいため外から見えにくく視力も弱いことが多い一方で匂いと振動の感知で周囲の状況を把握して生活します。体つきはミミズに似て細長く滑らかなうろこを持ち土のすき間に入りやすい形をしているので庭や畑でも見つかることがありますが毒を持たず攻撃性も低いため人にとって危険なヘビではありません。
1.特徴
●体長と外観
多くは数十センチ前後で体は円筒形に近く境目が目立ちにくい滑らかなうろこが並ぶため土とこすれても傷つきにくくなっています。
色は黒褐色や灰色などの地味なものが多く頭と尾の区別がつきにくい種もいるので見た目だけでミミズと間違われることがあります。
●眼と感覚
目は退化して小さくうろこの下に隠れるように見えることが多く強い光を頼りに行動するというより匂いを感じ取る器官と体で伝わる振動で周囲を判断します。
●地中生活に向いた体のつくり
頭は丸く硬めで土を押し分けやすく尾の先にとげ状の突起を持つ種では体を支えながら後ろ側で踏ん張ることで狭いすき間を進みやすくなります。
2.分布と生息環境
盲蛇は熱帯から温帯まで広く分布し南北アメリカやアフリカやアジアやオーストラリアなど各地で見られます。
主な生活場所は土の中や腐葉土の層や石の下や倒木の下であり乾燥を避けやすい場所を選ぶため雨のあとに地表へ出てくることもありますし地域によっては水辺の湿った場所で見つかることもあります。
3.食物
食性は小型の無脊椎動物が中心で特にアリやシロアリといった社会性昆虫の卵や幼虫を食べる種が多く地中で巣を探し当てて少しずつ捕食します。
口は大きく開かないため大きな獲物を丸のみするタイプではなく柔らかい餌を確実に取り込めるように適応しておりその性質が地中生活とよく合っています。
4.生態と行動
盲蛇は乾燥と低温を避けるために地中の安定した環境を利用し日中は深めの層に潜って過ごしやすく夜間や雨のあとに活動が増えることがあります。
移動は体をくねらせながら土を押し分ける形で進み狭い割れ目でも滑り込めるため外敵から身を隠しやすく同時に餌となるアリやシロアリに近づきやすい生活になります。
5.繁殖
繁殖の形は種で異なりますが卵を産む種が多く土の中や腐葉土の中など乾きにくい場所に産み付けて発生が進みます。
生まれた幼蛇は最初から地中生活に向いた体つきを持ち周囲の小さな餌を利用しながら成長していきます。
6.有名な盲蛇の例
●テキサス盲蛇
北アメリカの一部に分布する小型種として知られ地中で暮らし目立ちにくい一方で雨のあとに地表で見つかることがあります。
●ブラーミニー盲蛇
体が細く小さい種で鉢植えの土などに紛れて人の移動とともに広がりやすく庭先で突然見つかる例もあります。
●オーストラリアなどの盲蛇類
地域ごとに複数の種が知られ土中生活に合わせた体の硬さや色合いの違いが見られます。
7.人間との関わり
盲蛇は毒を持たず人に対して積極的にかみつくことも少ないため見つけても慌てずそのまま距離を取って様子を見る対応で十分な場合が多くなります。
地中でアリやシロアリなどを食べることがあるため庭や農地では小さな害虫を減らす側面もあり目に見えにくい形で環境の循環に関わっています。
8.保全と管理
盲蛇は地表に出にくいので減少が見えにくい一方で土壌の改変や開発や農薬の影響を受ける可能性があり落ち葉層や土の状態が変わると生活場所が失われることがあります。
身近な環境での保全としては土壌の乾燥を進め過ぎない管理や石や倒木など小さな隠れ場所を残すことが地中生物の多様性を保つ助けになり盲蛇を含む生き物の暮らしやすさにもつながります。