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クリミア・コンゴ熱
ウイルスによって起こる重い感染症であり 発熱に加えて出血しやすくなる状態や臓器の働きの低下を起こすことがあるため 注意が必要です。感染が進むと命に関わることもあるので どのように感染し どのような症状が出て 何を予防として意識すべきかを整理して理解することが大切です。
1.クリミア・コンゴ熱ウイルス
クリミア・コンゴ熱の原因はRNAウイルスの一種であり 人だけでなく動物にも関係しますが 動物は症状が目立たないままウイルスを持つ場合がある点が特徴です。
感染の広がり方としては ダニが媒介する形が中心になり ダニに刺されることに加えて 感染した家畜などの血液や体液に触れること そして感染者の血液などの体液に直接触れることでも感染が起こり得ます。
2.症状
症状は急に始まりやすく 感染後は数日から2週間程度の潜伏期間を経て発熱などが現れることがあります。初期は高い熱が短時間で上がり 強いだるさや頭痛や筋肉痛が出ることがあり
吐き気や腹痛などの消化器症状を伴う場合もあります。出血傾向は血小板の減少などと関係し 鼻血や歯ぐきからの出血だけでなく 便や尿に血が混じる形や
皮膚に出血斑が出る形で気づかれることがあります。重くなると肝臓や腎臓などの臓器に負担がかかって臓器不全につながることがあり 意識の変化やけいれんなどの神経症状が見られる場合もあります。
3.感染源
感染源として重要なのは ウシやヒツジやヤギなどの家畜と それらに寄生するダニです。家畜が症状を示さなくても 体内にウイルスが存在する時期があり
その状態で血液や体液に触れると感染の危険が高まります。そのため 家畜に関わる作業を行う人や 野外でダニに接触しやすい環境に入る人は 刺咬と体液接触の両方を意識した注意が必要です。
4.予防
ダニ対策としては 肌の露出を減らす服装を選び 虫よけ剤を適切に使用し 草むらなどダニがつきやすい場所では行動を工夫することが基本になります。野外活動後は衣類や皮膚を確認し
付着しているダニを早めに見つけることも重要です。感染動物との接触を減らすためには 血液や体液に直接触れないようにし 作業では手袋などの防護を用いて傷口からの侵入を防ぐ意識が役立ちます。医療の場面では
感染者の体液に触れる可能性があるため 手袋やガウンなどを含む標準予防策を徹底し 飛沫や体液への暴露を避ける対応が求められます。
5.診断
診断は症状だけで決めるのではなく 渡航歴や野外での活動歴や家畜との接触歴 そしてダニに刺された可能性などの情報を合わせて疑うことが出発点になります。高熱と出血傾向が同時に進む場合は
ほかの感染症も含めて鑑別が必要になるため 早い段階で医療機関へ相談することが大切です。検査としては ウイルスの遺伝子を調べる検査や 抗体を調べる検査などが用いられますが
実施には体制が必要な場合があるため 医療機関の判断で適切な検査へつなぐ流れになります。
6.治療
現時点では クリミア・コンゴ熱に対して確実に効果が確立した特異的治療が限られるため 基本は支持療法が中心になります。具体的には 脱水を防ぐ補液や
循環や呼吸の管理 そして必要に応じた輸血などで 出血や臓器への負担を抑えながら回復を支えます。重症化を防ぐ上では 早期に疑って適切な環境で管理することが重要であり
症状が強いときや出血が疑われるときは 自己判断で様子を見るのではなく 速やかに医療機関へ相談することが勧められます。
7.まとめ
クリミア・コンゴ熱は ダニを介した感染を中心に 動物や人の体液接触でも広がり得る重篤な感染症であり 高熱に続いて出血傾向や臓器不全が起こることがあります。予防では 刺されない工夫と 体液に触れない工夫を両立させることが重要であり 心当たりのある状況で強い発熱や出血が疑われる症状が出た場合は できるだけ早く医療機関へ相談することが大切です。